皆さんはわんちゃんにできる「チェリーアイ」という病気を知ってますか?
眼頭の所にぽこっと何か出来ている。
消えたり出てきたりしている。
仔犬ちゃんにそんなできものがあったら、「チェリーアイ」かも知れません。
「チェリーアイ」とは通称で、正式名称は「瞬膜腺脱出」と言います。
「瞬膜腺脱出」の「瞬膜」とは両眼の内側にある膜のことです。
角膜の保護や、涙を角膜表面に拡げて眼を潤わせるといった働きがあります。
「瞬膜腺」とは、この瞬膜にある腺組織のことです。涙の成分を作っています。
瞬膜腺は基本的に瞬膜の裏側にありますが、それが反転して飛び出してしまうことがあります。
これが「瞬膜腺脱出 (チェリーアイ)」です。
チェリーアイは、1歳未満の犬に多くみられます。コッカーやペキニーズ、シーズーに多いとされていますが、多くの犬種でみられます。
原因はよくわかっていません。
チェリーアイがあっても殆どの子は無症状です。
しかし、放っておくと白眼の充血や目やにが増えてくることがあります。
これは涙の成分を作っている瞬膜腺の機能が落ちてしまうためです。
目薬でチェリーアイが治ることもありますが、殆どの場合は手術をしないと治りません。
以前は飛び出してる瞬膜腺を切ってしまう方法が良いとされていましたが、今は推奨されていません。
瞬膜腺は涙を作っているので、切ってしまうと、涙が減る病気、いわゆるドライアイになってしまいます。
その為、当院では切らずに元の場所に戻してあげる手術方法を採用しています。
今回は仔犬ちゃんに多い眼の病気、チェリーアイについてのお話でした。
仔犬ちゃんはチェリーアイの他にも涙が多かったりとたくさんの眼の病気があります。
ご心配なことがありましたら、いつでも気兼ねなくご相談ください。
獣医師 原田